暑さ寒さも彼岸まで。やはりだいぶ過ごしやすくなってきましたね。お墓参りには行きましたか?お墓に行けない人はせめてお仏壇のお掃除でもしてください。お仏壇のない方は、仕方がないのでお部屋のお掃除をしてみましょう。気分がすっきりするはず。うちのお寺の墓地は、皆さんにきれいにおまつりされて、眺めているだけでも気持ちのいいものですよ。
 前回はお説教タッチのスポーツネタでしたが、今回はお金について考えてみようと思います。
 今この世にといいますか、日本に住む者にとってお金というものはなくてはならないものですね。もちろん坊さんとて例外ではないでしょう。いくらきれい事を並べても社会参加することにお金がなくてはなりません。
 ところで、よく「坊主丸儲け」とか「坊さんは税金払わんでもいい」とかいわれますが、誰がこんなこと言い出したのでしょうね。驚いたことに辞書で、「丸儲け」を調べると、「元手がかからず、収入が全部もうけであること。「坊主―」(大辞林第二版)」と書いてありました。わざわざ『「坊主―」』と「坊主丸儲け」が「丸儲け」の用例としてでているではないですか。また、「坊主丸儲け」で調べると「坊主は資本も経費もいらず、収入がそのまま全部儲けになる。(同上)」と書いてあるんです。辞書に断定形で書かれてるんですよ。「・・・とお寺の事情を知らない人が坊さんを風刺して評する言葉」くらい付け足しておいてもらわないと、私の子供が辞書で調べたときに誤解されるじゃないですか。万一子供がグレてしまい、「お父さんがお前をここまで育てるのにどれほど苦労したか」なんて説教しているときに「だってお父さんの仕事って丸儲けじゃん!」なんて言われたらどうするんですか。同じ辞書で「不用心」って引いても「医者の不用心」は出てこないのですから、「坊主丸儲け」も国語辞典からことわざ辞典へ即刻移動してもらいたいものです。ついでに説明しておきますと、「坊さんは税金払わんでもいい」ということですが、宗教活動のために集まった宗教法人の収入に税金がかからないということで、駐車場等の営利事業の利益や宗教法人から頂戴する個人の給与にはちゃんと普通の会社と同じように税金がかかるのですよ。法人の経営者の一人として言わせてもらうと、会社から振込で給料をもらっている人の方がよっぽど「収入(まあ、手取りのことですが)が全部儲けで税金がかからない」が当てはまると思いますよ。まあ、ごく一部の派手な生活をされる人のお陰で、僧侶に限らず宗教関係者は、お金を持っているように思われがちなので、ついつい弁解がましいことを並べ立ててしまうのですが、とにもかくにもお金というものはこの世に生きている以上避けて通れないものだと思います。出来ればあまり煩わされることなく過ごせたらと思いますね。
 さて、本題に入る前にちょっと考えてほしいのですが、車を運転される方はこれまで渋滞に遭遇されたのは一度や二度ではないかと思います。そこで思い出して欲しいのですが、大渋滞であればあるほどある時点から急に渋滞が解消されるのを経験されたことはないですか?こんなスムーズに流れるんやったら何で今までこんなに渋滞していたんだろうと思ったことはないですか?交通集中というのはそういうものだと考えればそうなのですが、頭で理解できてもなんとなく腑に落ちないことないですか。でもこれを簡単に理解する方法があります。ヒントはラーメン屋にあります。お鉢にたっぷり入った具とスープですが、最初はいくら食べてもなかなか量が減っていく気はしませんね。で、食べ進んでゆくとある時から急に減ってくる。食べる方は一定の量で食べ続ける。これは渋滞の先頭の車の流れ。始めは交通集中ならぬ麺と具とスープの集中。同じでしょ?このように自分の身近な現象にあてはめてみると少しは納得しやすいことはあるものです。交通渋滞も渋滞の渦中ではなかなか見えないものが、ラーメンを食べるという全体を見渡せる場にいると見え方が違うでしょ。
 今なぜこんなお話をしたかというと、お金との上手なつきあい方を考えるときに、お金をこの交通渋滞と同じように自分で把握できるものに置き換えて考えなければならないということを言いたかったからです。株価の上がり下がりと自分の財布のお金の関係なんてよく分からないですよね。では、把握するにはどうするか、本当の良い方法は、日々のお金の流れを1円たりとも狂わさず、記帳することです。まず半年もすれば、自分にとってお金とは何か把握することができるでしょう。でも、普通はそんなことなかなか続きませんよね。もっと大ざっぱでいいから、毎日お金のことに煩わされずに暮らしたい。先程は交通渋滞をラーメンにたとえましたが、お金は何かにたとえられるのですかね。実はこれ、目から鱗のロジックが存在するのです。(つづく)

天根 静也

何だか最初から何が言いたいのかよく分からない坊さんに質問したい人はエンジョイ京都まで